2025年、大阪関西万博が開幕した初日から、会場内に設置された“未来的トイレ”が予想外の問題を引き起こし、大きな話題となった。そのデザインは一見して斬新でスタイリッシュ。しかし、その実、使用方法が極めて分かりにくく、最終的には破壊されるという事態にまで発展した。
問題のトイレは「大屋根リング」内に位置する「トイレ1」。コンセプトは「夢洲の庭」であり、未来的なデザインが目を引く。しかし、その設計は初見殺し。最初に足を踏み入れた来場者たちは、まさに「何これ?」という驚きと混乱の連続だった。
まず、トイレに入る際、使用中かどうかを確認する手段が不明確だ。ドア脇のマークが点灯したり消えたりするが、それが「使用中」のサインなのか「空いている」のか、色が明確に示されていないため、誰もが不安になる。
まさか、こんな基本的な確認さえもできないとは…。
そして、中に入ったら、また別の混乱が待ち受けていた。扉の鍵はボタン式で、しかもその場所が非常に分かりづらい。鍵の位置はドアの近くではなく、便座の脇にあり、説明書きもほとんど役に立たない。まるで、謎解きゲームに挑戦しているかのような感覚に陥る。
こうした設計の結果、ある来場者が鍵が分からず出られないという事態が発生。その人が外に出られないことで、さらにその場にいる他の人々も困惑し、最終的には外から扉を破壊するという暴挙に至った。これが悪循環となり、初日から複数の扉が破壊され、トイレの半分は使用不可となってしまった。
「中に人がいるかどうか分からない」「ランプが壊れて点灯しっぱなし」「鍵が動かず開かない」「出口がどこか分からない」…まさに設計ミスが目立つトイレとなってしまった。
その結果、多くの来場者たちは混乱し、最終的にはトイレを使えずに帰るという事態が発生していた。
このような状態は、万博という多国籍な人々、そして高齢者をも迎え入れる場所であり得ないことだ。
デザインが未来的であることにこだわったあまり、基本的な使いやすさを捨ててしまった。その結果が、「ランプの色が壁と同化し、入っているかどうか分からない」という現象を引き起こし、列が伸びるだけで人々は混乱し続けた。
また、日本の“トイレ文化”は世界的に評価されてきた。その優れた機能性と清潔さは、他の国々にも称賛されてきたが、今回のトイレはその評判を自ら打ち砕くこととなった。日本のトイレは「普通であること」が最も重要な要素であり、それがきちんと機能してこそ、世界に誇れるものだった。しかし、このトイレはその基本を忘れ、まさに「未来のデザイン」を過信しすぎた結果、混乱を招いたのである。
万博のトイレ問題は、日本のイベント設計が「見栄え」に走りすぎた結果の象徴であるとも言えるだろう。
そして何より、来場者の中には「トイレ行けないから帰るわ」という声が上がり、この問題が現在の万博の象徴となってしまった。
「未来のデザイン」とは、誰もが使いやすく、誰もが快適に利用できるものを指すべきだ。それを忘れた設計が、初日の時点で破壊され、使えない状態となったのは、まさに悲報であると言わざるを得ない。
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