
妹に、人生ごと食い荒らされた。
親も一緒に。
8つ下の妹が20歳ででき婚したとき、
学生だった相手と生活できず、私は援助を続けた。
最初の離婚、次の結婚、そしてまた離婚。
親は体が弱く、結局、私が金を出すしかなかった。
私が結婚したあとも、夫は理解を示してくれた。
でも——妹は、底なしだった。
私が多胎妊娠で入院したとき、
妹は自分の子をうちに預けて、男と遊び歩いた。
見かねた両親も注意したけど、聞く耳を持たなかった。
それでも、まさか“あの一線”を越えるとは思わなかった。
入院中のある日、夫が病室に来て言った。
「もう一緒に暮らせない」
理由を聞いた瞬間、頭が真っ白になった。
妹が、夫に跨ろうとしたらしい。
「お姉ちゃんを追い出して、私と再婚しよう」
そう言って夜這いをかけたと。
両親もそれを知っていて、むしろ賛成していた。
「姉子は強いから大丈夫。私たちは誰かに支えてもらわないと」
お腹にいる子を抱えながら、
血の気が引いていくのがわかった。
夫は静かに怒っていた。
「君は何も気にしなくていい。俺が片付ける」
その言葉に、ようやく泣いた。
退院する頃には、すべて終わっていた。
夫の親族が動いて、両親と妹を家から追い出した。
「弱いのにひどい!」と泣き叫ぶ声が、もう他人のものに聞こえた。
鍵を変え、セキュリティを入れ、
空いた一階には義兄の事務所が入った。
家も心も、二度と侵入できないように。
それでも一度だけ、入院先に押しかけてきたらしい。
「助けて」と留守電が埋まるほどの声。
けれどもう、何も感じなかった。
あの人たちを“家族”と呼ぶことは、もうない。
今は双子と、穏やかな夫と、静かな時間を生きている。
——「家族」って、守るべきものと捨てるべきもの、どこで線を引くんだろう。
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