
昔から“それなりにモテる”と言われてきた私。ただ、若い頃からどうしても理想が高く、結婚適齢期になっても「この人だ!」と思える男性にはなかなか巡り会えなかった。周囲にいたのは、年収1500万のフツメンか、年収800万のイケメン。普通に考えれば十分なのかもしれないけれど、どこか妥協したくなかったのだ。
そんなとき、軽い気持ちで婚活アプリに登録してみた。すると驚きの展開に――なんと、気づけばアプローチ数は5000件近く。あまりの通知の多さにアプリを見るのが億劫になるほどで、その中から厳選に厳選を重ね、実際に会ったのは10人ほど。医者、弁護士、大手商社マン、大手外資系金融……いわゆるハイスペック層が確かに存在していた。
もちろん、全員が完璧というわけではなく、中には個性が強すぎる男性もいた。イケメン医師だけど酔うと赤ちゃん言葉になる人、立派な経歴なのに驚くほどのマザコンタイプ、あるいはスペック最強だけれど年齢が50代というケースもあった。彼らのSNSや交友関係をチェックしながら、地雷がないか徹底的に見極める日々。
そんな中で出会ったのが、今の夫だった。年齢は私の2歳上。年収も容姿も性格も、私の“絶対に譲れないライン”をすべてクリアしていた。出会った瞬間に「この人なら」と感じたほど相性が良く、自然と交際、そして結婚へと進んだ。
今では子どもも2人授かり、日々穏やかで幸せな家庭を築いている。ただ、夫婦そろってひとつだけ決めていることがある。それは――“婚活アプリで出会ったことは誰にも言わない”ということ。偏見もあるし、「運命的な出会いです!」なんて言ったほうが周囲も納得しやすいからだ。
一方スレ内では、「モテの定義とは?」「婚活アプリにハイスペって本当にいるの?」という疑問や、「ストーカー被害だって容姿で印象変わるよね」という話題も飛び交った。
さらに、「結婚は運。どれだけハイスペでも、倒産・不妊・性格の相性など未来は読めない」という冷静な声も。
結局のところ、婚活アプリだろうが友人紹介だろうが、素敵な出会いは素敵なものだ。
私にとっては、妥協しなかった結果、ようやく掴んだ幸運だった――そんな話。

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