あの日、家でゆっくりしていたら固定電話が突然鳴った。
出た嫁が首をかしげながら戻ってきて、「なんか…間違い電話?」って言う。
スーパーからで、「怪我したお子さんが“迎えに来て”と言ってます」とのこと。
いやいや、うち子どもいないし。苗字すら知らない。
嫁は当然のように「間違いです」と切った。
まさか、それが後輩の子どもだったなんて、この時は夢にも思わなかった。
次の日。
玄関をドンドン叩く音と共に、後輩の嫁が怒鳴り込んできた。
「なんで迎えに行ってくれなかったんですか!?」
「は???」
話を聞けば、後輩夫婦の中で勝手に
“仕事中になにかあれば俺の家に頼れ”
という設定が作られていたらしい。
しかも電話番号は町内会長から聞き出したという始末。
勝手に他人を“保険”みたいに扱ってんじゃねぇよ。
嫁はブチギレ。
俺も後輩に電話し、現場でギャンギャンやり合う嫁たちの声を聞かせて
「今すぐ迎えに来いコラ」
と叩きつけた。
後輩は謝って帰ったものの、最後に
「冷たいですね…」
と恨み言を吐いていった。
そこから地獄。
スピーカー体質の後輩嫁が言いふらし、
知らんオバチャンや見ず知らずの奥さんが勝手に家に来て、
「ちょっとくらい預かったげなさいよ」
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