帰省のための切符を買いに行ったとき、ふと去年の年末年始を思い出しました。毎年、旦那の実家に近距離で別居しているため、年末年始は私の実家へ帰省します。電車で四時間ほどの長旅ですが、座れないのが嫌なので、いつも早めに指定席を購入します。ところが、去年の正月、駅は異常に混雑していて、荷物を抱えながら指定席に座ろうとした瞬間、予想外の出来事が起こったのです。
私たちの指定席に、若い夫婦が座ろうとしているではありませんか。最初はただの間違いかと思い、気にも留めなかったのですが、夫婦の会話が耳に入ってきました。「ここ、座れるんじゃない?」と話している様子が気になり、私たちが席に座ると、二人は「残念」と少しがっかりした表情を浮かべました。
しばらくして、再びその夫婦が現れました。男性が少し困った顔で「すみません、自由席がいっぱいで…」と言い出しました。そして、男性が語り始めました。「実はうちの嫁が妊娠中でして…」と、お腹をなでながらニコニコと微笑む妻を指差して言うのです。私はすぐにピンときました。「つまり、席を譲れってことね」と思ったのです。
心の中でイラっとしながらも、私はできるだけ穏便に、「すみません、私たちもあと四時間近く乗る予定でして、車掌さんが来るので、早めに少しでも別の席がないか聞いてみてはどうですか?」と早口で話しました。その瞬間、妻の表情が一変しました。笑顔から能面のように冷たい顔に変わり、私は少し怖さを感じました。しかし、結局彼らは引き下がり、私たちはホッと胸をなで下ろしました。
その後、私は旦那に聞きました。「どうして断るときにあんなに顔をしかめていたんだろう?」すると、旦那は「初めて席を譲って欲しいと言われたことに気づいたみたいだ」と答えました。私たちはその後、座席で落ち着いて本を読み始めました。
しばらくして顔を上げると、またその夫婦が車掌と話しているのを見かけました。どうやら、車掌に「指定席はもういっぱいです」と言われたようです。
そりゃそうですよ、年末年始の混雑時期に指定席が空いているわけがありません。
そして、その後、男性が近づいてきて、「もしよければ、一席譲っていただけませんか?」と言い出しました。旦那も私も、もう耐えられませんでした。普段なら、妊婦や怪我をしている人には優しくするように心がけている私たちですが、この夫婦には心底腹が立っていました。お金を払って事前に指定席を取れば誰でも座れるはずなのに、その努力を無視して譲ってくれと図々しく頼む姿に、私たちの耐性は限界でした。
旦那は、冷たい声で一言。「絶対に無理です。」私が「私も譲りません。他を当たってください」ときっぱり断ると、夫婦は渋々引き下がっていきました。普段は穏やかな旦那ですが、あまりの無礼に一気に怒りが爆発したようです。
私は、やっぱり指定席はお金を払って取るものだと思いました。自分たちの都合で譲ってくれなんて言う夫婦には、正直、優しさを向ける気にはなりませんでした。
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