私と先輩は、北海道支社の引っ越し業務のために一緒に出張していた。
普段は仕事上の上下関係があるが、就業後の食事については対等なはずだ。私はせっかくの北海道ということで、妻から臨時でもらったお小遣いを手に、事前にピックアップしていた店で海の幸たっぷりのコースを注文した。
すると、同席していた先輩は千円ほどの丼を頼んだ上で、「俺が丼単品なのによくコース食えるな」と嫌味を一言。さらに、コースについてきた小鉢に無言で箸を伸ばしてきたため、それを制すると「失礼だぞ」と逆ギレ。
ホテルの件でも一悶着あった。会社からは一泊8,000円までの宿泊費が支給されていたので、私は出張が決まるとすぐに妻と相談し、駅から少し離れているが評判のいいホテルを早割で予約。
対して先輩は直前になってホテルを探し始め、駅近のカプセルホテルにしか空きがなかったという。私の予約していたホテルを知ると、「お前だけズルい」と宿の交換を迫ってきたが、クレジットカードで予約していたため不可能だった。
2日目の昼食は、1500円の海鮮丼をテイクアウトし、オフィスでのんびりと食べていた。現地の社員たちは「満喫してるね!」と声をかけてくれたが、先輩はまたも「先輩を差し置いて自分だけ」と嫌味を繰り返す。
夜は一人でラーメンを食べに行く予定だったため、ホテルに戻るタイミングで先輩をうまく撒き、ようやく落ち着いた食事を楽しめた。
3日目、帰りのフライト時間が同じだったため、空港で合流する流れだった。
私は午前中の業務を終えたあと、ホテル近くの天ぷら店でランチ。先輩もなぜかついてきたが、注文が遅れたせいで、私の料理が先に到着。揚げたての天ぷらをいただこうとした瞬間、「俺の料理がまだなのに先に食うな」と一言。出張中、時間を気にせずにいられる立場ではないはずだが…。
結局、私は先に食べ終え、ホテルで荷物を回収して空港へ。搭乗時間ギリギリになってようやく現れた先輩は、私の持っていた妻へのお土産を見て「俺はそんな時間なかった」と不満をぶつけてきた。だが、もはや耳を貸す気もなく、イヤホンをして機内で眠りについた。
3日間の出張を通して思ったのは、「段取り」と「自立心」の重要性だ。他人の選択や行動に嫌味を言う前に、自分の準備不足を見直すべきではないか。自由な行動が許されているのなら、それを活かすかどうかは自分次第だ。先輩のような姿勢では、旅先でも仕事でも、ただただ疲れるだけなのだろう。
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