それは、ある夫婦が海外旅行からの帰路についた飛行機内での出来事だった。
女性は夫と隣り合わせに座り、穏やかな時間を過ごそうとしていた。ところが離陸直後から、彼女の背もたれが「ドン、ドン」と何かに叩かれる衝撃に見舞われる。振り返ると、後方の席に座る家族連れの幼い男の子が、楽しげに前の座席を蹴っていたのだった。
女性はため息をつきつつ、後ろの家族に聞こえるようにこう漏らした。「後ろから何度も蹴られてて、正直つらい」「蹴られ続けてつらい」と旦那に話した。
すると、男の子の母親が席を立ち、頭を下げながらこう言った。「小さい子供がいて、ご迷惑をおかけしますが……どうかご辛抱ください」
誠実な謝罪に、女性も無下にできず、表向きは理解を示した。
しかし、問題の子供はその後も何の制止もなく、蹴る行為を続けた。
すると、機内を巡回していた客室乗務員(CA)が異変に気づき、後方の家族に静かに声をかけた。そしてしばらくして、その家族は機内の後方へと案内され、トラブルはようやく収まったかに見えた。
だが、飛行機が目的地に到着し、乗客が順番に降りていく中で、女性は思わぬ光景を目にすることになる。
ファーストクラスの座席に、先ほどまで後方にいたあの親子が座っていたのだ。迷惑行為をした側が、より快適な座席へ移された?
「どうして、蹴られていた私たちではなく、あの家族がファーストクラスなんですか?」女性の怒りは収まらなかった。その場で声を上げはしなかったが、心中には明らかな疑問と不満が渦巻いていた。
この出来事は後日、SNSを通じて拡散され、ネットニュースにも取り上げられた。コメント欄には、共感と疑問の声が相次いだ。
「普通なら、被害を受けた側をファーストクラスに案内するべきでは?」「静かな空間を守るために、ファーストクラスが空いていたので子供を隔離しただけでは?」「子供の騒ぎを利用して席替え狙ってたんじゃ……確信犯に見える」
一方で、航空会社の対応について「難しい判断だったのでは」「他の乗客への影響を最小限にした結果かもしれない」という擁護の声もあった。
機内では誰もが快適に過ごす権利を持っている。しかし、そのバランスを取るのは容易ではない。今回のケースは、航空会社の判断とその伝え方、そして「被害者」と「加害者」に対する配慮のあり方について、改めて考えさせられる事例となった。
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