今年の8月、私の父が還暦を迎える。人生の節目として、特別な贈り物を用意したいと思った。例年は1万円程度の誕生日プレゼントを贈っていたが、今回は5万円弱の記念品を考えていた。もちろん、その費用は私自身の貯金から。夫に負担をかけるつもりなど、微塵もなかった。
しかし、夫はこう言い放ったのだ。「いい大人が誕生日プレゼントなんて、恥ずかしいからやめろよ」
最初は「還暦くらいはあげたら?」という反応だったが、金額を知ると途端に態度を変え、「5万も使う必要はない」と不満を口にした。
私たちは共働きで、年収は私の方が高い。趣味にお金をかけることもなく、生活費や共同貯金を差し引いても、かなりの余裕がある。贅沢もしない。
唯一の大きな出費といえば、年に数回の誕生日プレゼントぐらいだ。
それにも関わらず、夫は言った。「そんなお金があるなら、義実家のリフォームのために使ってほしい」
驚いた。義母は以前、「リフォームは自分たちの貯金と、同居している義兄夫婦のお金でやるから、あなたたちは出さなくていい」とはっきり断っていた。それでも夫は、生まれ育った家だからと、私に負担を求めてきた。
しかも、義母が還暦を迎えた3年前、夫は5万円どころか、それ以上の海外旅行をプレゼントしていた。そのことを指摘すると、「あの時と今では経済状況が違う」と返された。息子が小学生になったから、と。
けれど、我が家の経済状況は悪化していない。むしろ私の収入が上がって、当時より余裕があるほどだ。
それなのに、夫はさらにこう言った。「そんな高い贈り物を買うなら、来月の息子の誕生日プレゼントはナシだな」
私は別に構わない。しかし、なぜ私自身のお金で父に贈り物をすることが許されないのか。全く理解できず、口論になった。
その後、夫の態度はあからさまに冷たくなった。ストレスからか、私は高熱を出した。普段なら滅多に風邪もひかないのに。
すると翌朝、私の熱を見て夫は「俺への当てつけかよ」と言い放ち、出勤していった。
その晩、夫は義母に電話をし、泣きついたらしい。だが義母も私と同じ意見を述べたそうで、ようやく夫は自分の考えがおかしかったと気付いたようだった。
「ママに言われなければ分からなかったのか」と、私はあきれた。そして初めて、離婚という言葉が頭をよぎった。
普段は穏やかで、父親としても夫としても悪くない人。金銭のことで揉めたのは、これが初めてだった。もしかして使途不明金でもあるのかと疑ったが、それはなかった。
今朝になって夫から素直な謝罪があり、一応は安堵した。だが、「夫エネ」気質が見え隠れしたこの一件で、私は今後もっと注意深くなろうと思っている。
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