長男至上主義が根強く残る義実家。特に直接的な被害はなかったため、私はたまに娘を連れて顔を見せに行っていた。しかし、ある日、耐え難い事件が起きた。
当時12歳だった義兄の息子——いわゆる“アホ息子”が、当時6歳の私の娘にいきなりボディーブローを食らわせ、彼女は泣き出した。信じられない出来事に、私は怒りを抑えきれずアホ息子を叱った。しかし彼はすぐさまウトメ(義父母)の背後に逃げ込む。
「男の子はこれくらい元気な方がいい!」「娘ちゃんの方が悪いんじゃない?」「ちょっとお腹を触られたくらいで大げさね」「これだから女は!」と、口々に発せられる信じがたい言葉。しまいには「馬鹿が跡取りに逆らうな!」などと、娘をかばう私を完全に敵視するような態度だった。
そのとき、アホ息子は「もっとやれ~」と笑いながら叫び、とうとうこちらの頭まで叩き始めた。私は頭が真っ白になり、ただ娘を抱きしめて「この子を守らなきゃ」と固まることしかできなかった。
その瞬間だった。こたつで猫と遊んでいた義弟が立ち上がり、無言でウトの鳩尾に拳を叩き込んだ。遠慮のない一撃だった。吹き飛ばされたウトは、「げっ、げっ、げっ……」と壊れたおもちゃのように床でのたうち回り、トメは部屋の隅で震えながらお経を唱え始めた。
義弟は呆然としていたアホ息子の頭にアイアンクローをかけ、「おい小僧!あそこで跳ねてるカスをどう思うよ?ああ?!」と怒鳴りながら、20分間にわたって説教を続けた。すっかり怯えたアホ息子は、泣きながら私と娘に謝罪。
私は娘を抱えて義弟に礼を言い、庭仕事をしていた夫を引っ張ってその場を去った。家を出るとき、まだウトは「げっ、げっ、げっ」と苦しみ続け、トメは経を唱え続けていた。
それが数年前の出来事だ。
その後、私たち夫婦は義実家と絶縁。平穏な日々が続いていたが、最近亡くなった大トメの葬儀で、五年ぶりにウトメと顔を合わせた。
三年前、交通事故で長男家族を亡くしたウトメは、別人のようにやつれていた。今は義弟の稼ぎに依存しており、頭が上がらないらしい。葬儀の席で私に文句を言おうとするも、義弟と夫がすべて阻止してくれた。
義弟はウトメに対し、「俺が黙れと言ったら黙れ!シねと言ったらシぬんだよ!カスが!」と吐き捨て、以後ウトメは一言も発せなかった。
私は大トメとの最後の別れを果たし、今後もう義実家と関わることはないだろう。唯一の心残りは、義弟が未だ独身を貫いていること。あんなに強く、優しい人だからこそ、いつか本当の幸せを掴んでほしいと、心から願っている。
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