ある日のこと、私は友達と一緒に電車に乗っていた。途中の駅で、三歳くらいの男の子と若い母親が乗り込んできた。男の子は元気いっぱいに乗り込むと、すぐに吊り革に向かってジャンプを始めた。母親は笑顔で子供を抱き上げ、吊り革に手をかけさせると、男の子はブランコのように楽しげに揺れていた。周囲の乗客が少し驚いた表情を見せる中、私はその光景に少し不安を感じていた。
そんな中、男の子が遊んでいるうちに片方の靴が脱げて、私の前に落ちた。心の中で「この靴を反対方向に蹴飛ばしてやろうか」と思ったが、友達が無言で靴を拾い上げ、母親に手渡した。しかし、母親は感謝の言葉もなく、無言で靴を受け取って子供に履かせた。そして、再び吊り革で遊ばせ始めたのだ。
その時、友達が淡々とした口調で言った。「危ないですよ、周囲の人にも迷惑がかかります。」その言葉を聞いた母親は、友達の方を一度も見ないまま、子供に向かってこう言った。「ほーら、●●ちゃん、怖いお姉さんに怒られるわよ~♩」その反応に、私は思わず驚いた。反省の色もなく、まるで冗談のように言うその母親に対して、友達は冷静に答えた。
「怒ったらいけませんか? 悪いことをしたら叱ったり、注意したりするのは当然のことですよ。悪いことやマナー違反をした時に注意されなければ、どうやってそれが悪いことだと教えられるんですか?」友達はさらに続けた。「私はまだ怒っていませんよ。注意すること、叱ること、怒ることの違いも分からないんですか?」
その言葉に母親は顔を真っ赤にし、反論しようとしたが、友達は冷静に続けた。
「子供がいないからこそ、将来子供を持つ時にどうやって育てるかを今から考えているんです。」母親は何も言い返せず、とうとう次の駅で降りることになった。
友達の冷静で理路整然とした言葉に私は心から感謝した。感情的になりかけた自分を振り返ると、少し恥ずかしくなった。あの時、感情で靴を蹴飛ばす前に、もっと冷静に対処できたかもしれないと感じた。そして、友達のように、どんな状況でも冷静に物事を判断できるようになりたいと思った。
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