地下鉄の駅で待っていると、突然、10人ほどの老人たちがやって来た。そのうちの何人かは騒がしく、並ぶこともせずに無神経に列の前に割り込んできた。アナウンスが流れ、電車が到着するタイミングで、私は最前列に立っていたが、すぐに老人たちが割り込んできた。
私はその瞬間、どうしても割り込ませたくなかったが、老人の一人が「年寄りが優先だぞ!」と大声で言いながら、結局、私の前に立ち位置を取られた。電車に乗り込むと、今度はその老人たちが優先席を目指してすぐに座り込んだ。その様子を見て、私に向かって文句を言い始めた。「最近の若者は年寄りも敬えないのか」とか、「この国も落ちたんだな」と、しきりに悪口を言っていた。
その後、目にした光景はさらに驚くべきものだった。
優先席に座っていた30代前後の若い男性が、ニット帽をかぶりスーツ姿で座っていたのだ。その男性に向かって、老人たちは「ここは老人の席だよね?」と不満を漏らし、最終的に一人の老人が「聞こえてるだろ、そこをどきなさい」と言い出した。彼らは何とかしてその席を譲らせようとしたが、男性は冷静に立ち上がり、帽子を取った。
その瞬間、私たちはその男性の顔に驚きの表情を浮かべた。男性は言った。「ガンの治療で病院帰りの俺より、長生きしそうなお前らに席を譲れってか?」と語気を強め、「ここはお前らの家じゃねーよ。さっきから大声でうるせぇんだ。マナーくらい守れ!」と一喝した。
その後、その男性は席を譲ったものの、周りの人々はその行動に驚き、しばらく静まり返った。そして、斜め前に座っていた若い女性がその男性に席を譲ったのだ。その様子を見て、車内の乗客たちは無言でその老人たちを見守った。老人たちは結局、誰一人としてその譲られた席に座ろうとせず、沈黙が続いた。
次の駅に到着すると、老人たちは一斉に降りて行った。その後の車内は、しばらく沈黙とともに流れ、私はその時の男性に心からの敬意を表した。彼の勇気と冷静さには、ただただ感心するばかりだった。
ニット帽の男性には、できるだけ長生きしてもらいたいと思う。
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