今日は特別な日だ。私たち夫婦の結婚15周年記念日であり、妻の誕生日でもある。ここまで一緒に歩んできた年月を振り返ると、幸せな日々もあれば、試練もあった。しかし、今こうして振り返ると、妻と過ごした日々は何ものにも代えがたい大切なものだ。
だが、結婚してからというもの、照れくささもあってか、妻に「愛してる」という言葉を口にすることはほとんどなくなっていた。名前で呼ぶことも、長い間なかった。正直、あれほど一緒に過ごしていても、照れくささが先に立って、心の中で思っていることを伝えることができなかった。
そして、今日、改めてその言葉を伝えようと決心した。私たちの娘たちがいる前で、勇気を振り絞ってその一言を言おうと思った。しかし、なかなかその機会が訪れず、夕食の時間になり、家族でテーブルを囲んでいるとき、ようやくその瞬間が訪れた。妻が突然、娘たちに「今日はママの誕生日だけど、パパとママの結婚記念日なんだよ。
まさかと思うけど、パパは忘れてないよね?」と言ってくれたのだ。
その言葉に、私はもう言うしかないと決意し、ポケットに忍ばせていたプレゼントを取り出しながら、妻に向かって言った。「嫁子、いつも俺と子供たち、家族を守ってくれて本当にありがとう。これからもずっと俺のお嫁さんでいてください。嫁子、愛してます。」その瞬間、娘たちがニヤニヤと笑い出し、妻は驚いた顔をして、しばらく言葉を失っていた。
妻はすぐに慌てたように、「パパ!パパ!すぐお風呂入って!お風呂!子供たちは部屋で宿題を!」と叫びながら、私を急かし始めた。「帰ってすぐ風呂入ったじゃん」と言うと、上の娘が「もう終わってるよー」と、下の娘も「ねー」と笑顔で答えた。妻はまだ焦った様子で、「じゃあ、パパ、子供たちの宿題を見てあげて、その間に私が誕生日ケーキの準備をしておくから。」とバタバタし始めた。
私は「何焦ってんだよw」と笑いながら言ったが、その直後、妻の表情が一変し、涙ぐんでしまった。
「だってー、泣き顔見られたくなかったんだよ、一人で泣きたかったんだよー。私も○○さん(私の名前)のこと、ずっとずーっと愛してるよー。」と大泣きしながら抱きついてきた。
その瞬間、上の娘が気を使って、席を替わるように合図をしてくれた。私は妻を抱きしめながら、「大丈夫だよ」と声をかけ、泣き止むまで胸で支えた。娘たちはテーブルを片付け、誕生日ケーキの準備をしてくれていた。
私たちの小さな家庭の温かさに、心がじんわりと温かくなった。
妻が落ち着いた後、家族全員で誕生日の歌を歌い、ローソクの火を消した。その瞬間、妻はにっこりと笑い、「ママ、世界一幸せ!」と言ってくれた。その言葉に、私は本当に幸せを感じた。私が言いたかったことが、やっと伝わったような気がした。
夜の方は、妻が生理中だったため、夫婦としての時間はなかったが、今朝、何年かぶりに「行ってらっしゃい」のキスをしてくれた。そして、私が手にしたお弁当が、いつもよりも重かったことに、また嬉しさがこみ上げてきた。愛してるという言葉を言うことができて、本当に良かったと心から思った。
こうして、家族全員が温かい気持ちで過ごすことができたことが、私にとって最高のプレゼントだった。そして、改めて家族という絆の大切さを感じることができた。この15年という月日が、どれほどかけがえのないものか、改めて実感した瞬間だった。
ありがとう、妻。そして、ありがとう、娘たち。私たちの家族がこれからもずっと幸せでありますように。
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