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5年付き合った彼から、ある日突然「別れよう」と言われた。 理由は、たったひとつ。 「好きな人ができた」 その一言だけだった。
2026/05/14 告発

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5年付き合った彼から、ある日突然「別れよう」と言われた。

理由は、たったひとつ。

「好きな人ができた」

その一言だけだった。

私たちは、結婚を意識していた。

両家に挨拶も済んでいた。

式場も見学に行っていた。

私はウェディングドレスのカタログを、毎晩眺めていた。

そんなタイミングだった。

「好きな人って、誰?」

私は震える声で聞いた。

彼は答えなかった。

「会社の人?」

「いつから?」

「私の何が悪かったの?」

彼は、ただ「ごめん」と繰り返すだけだった。

その夜、彼は荷物をまとめて、出ていった。

連絡先もブロックされた。

SNSも、全部削除された。

「好きな人ができた」

ただの浮気で、5年が終わった。

私は、彼を一生許さないと決めた。

3年間、誰のことも好きになれなかった。

恋愛そのものが、こわくなった。

3年後のある日、共通の友人から、突然連絡が来た。

「○○くんのこと、聞いた?」

胸がざわついた。

「結婚したの?」

「違う」

「亡くなったよ」

電話の向こうで、友人が震える声で言った。


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私は、その場に座り込んだ。

「先月、事故で。即死だったって」

「お通夜、明日なんだ。来る?」

行くべきか、迷った。

3年間、ずっと恨んでいた。

会いたくない、と思った。

でも、何かが、私を行かせた。

会場に着いた瞬間、私は息を呑んだ。

参列者の中に、見覚えのある女性がいた。

彼の母親だった。

5年付き合っていた間、何度もお世話になった人。

「来てくれたのね、ありがとう」

そう言って、私の手を握った。

そして、こう続けた。

「あの子、ずっとあなたのこと話してた」

——え?

「3年前に別れてからも、ずっと」

告別式の後、彼の母親に呼び止められた。

「これ、あの子の部屋にあったの」

差し出されたのは、一冊の手帳だった。

「あなたに渡してほしいって、書いてあったの」

手帳の表紙に、走り書きでこう書かれていた。

「もし俺に何かあったら、これを彼女に渡してください」

私は、震える手でページを開いた。

最初のページに、一枚の診断書のコピーがあった。

「うつ病・重度」


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3年前の、別れた頃の日付。

私は、息が止まった。

ページをめくった。

日記だった。

「今日、彼女と式場を見に行った。笑顔で頷いたけど、本当は怖くて仕方ない」

「最近、朝起きるのがつらい。仕事中も涙が出る」

「彼女に話そうとしたけど、できない。彼女の幸せそうな顔を見ると、言えなくなる」

「病院に行った。重度のうつ病だと言われた」

「結婚なんて、できる状態じゃない」

「でも、彼女は5年も待ってくれた」

「俺が病気だと言ったら、彼女は絶対に離れない」

「介護のような結婚生活になる」

「彼女の人生を、俺が壊すことになる」

そして、最後のページに、こう書いてあった。

「『好きな人ができた』と嘘をついて、別れることに決めた」

「彼女が俺を恨んでくれた方が、早く前に進める」

「彼女の人生に、俺の影を残してはいけない」

「ごめん」

「俺の人生で一番好きだった人は、最初から最後まで、君だけだった」

私は、手帳を抱きしめて、号泣した。

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