ある日の午後、私はいつもと変わらない生活を送っていた。
家の掃除を終え、少し休憩しようとお茶を淹れていた時のことだった。突然、玄関のチャイムが鳴った。
「宅急便です」
インターホン越しに聞こえた配達員の声。
私はネットで買い物をした覚えもなかったので、少し不思議に思いながら玄関へ向かった。
「どちらからのお荷物ですか?」
そう尋ねると、配達員さんは伝票を確認しながら答えた。
「えっと……こちらのお宅宛てですね。お名前も合っています」
確かに住所も私の家だった。
しかし、差出人の名前を見た瞬間、私は違和感を覚えた。
そこに書かれていたのは、私がよく知っている名前だった。
義弟嫁の名前。
「……なんで?」
思わず声が漏れた。
私には義弟がいる。夫の弟で、数年前に結婚している。その相手が今回荷物の差出人になっている義弟嫁だった。
だが、私はその荷物を頼まれてなどいない。
事前に連絡を受けた記憶もない。
「こちら、受け取り拒否できますか?」
私は配達員さんに伝えた。
「はい、大丈夫ですよ」
配達員さんは慣れた様子で手続きをしてくれ、その荷物はそのまま持ち帰られていった。
その時の私は、単純に「何か間違えたのだろう」と思っていた。
まさか数時間後、こんな面倒な騒ぎになるとは考えもしなかった。
夕方になった頃、スマホが鳴った。
画面を見ると、義弟嫁からだった。
「もしもし?」
電話に出ると、いきなり怒った声が聞こえてきた。
「ちょっと!どういうことですか?」
突然の怒鳴り声に、私は一瞬何を言われているのか分からなかった。
「何の話?」
そう聞き返すと、義弟嫁はさらに強い口調で続けた。
「今日届いた荷物、なんで受け取らなかったんですか?」
そこでようやく、昼間の宅急便のことだと分かった。
「あなたの荷物だったの?」
私は冷静に尋ねた。
すると義弟嫁は当然のように答えた。
「そうですよ。だから受け取ってくれると思ったのに」
その言葉を聞いて、私は呆れてしまった。
「ちょっと待って。
私は何も聞いてないんだけど」
すると義弟嫁は悪びれる様子もなく言った。
「だって、お義姉さんの家に送ったほうが都合が良かったんです」
意味が分からなかった。
「都合が良いって何?」
私が聞くと、義弟嫁は平然と説明を始めた。
どうやら自分がネットで購入した大きな荷物を、一時的に私の家で受け取ってもらおうと勝手に決めていたらしい。
理由は、自宅だと昼間受け取りが難しいから。
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