ふむふむふむ。
その先輩が業務を引き継ぎたがらない理由、いくつか考えられると思います。
理由その1。あなたも言及していますが、「自分の仕事を取られたくない」。
取られたくない、とまではいかないまでも、このまま自分が担当したい。なぜ引き継ぎをしないといけないんだ、と疑問に思っている可能性もありますね。
もしあなたが管轄の責任者から「業務を引き継いで」と言われているのであれば、責任者に相談するのが一番だと思います。
責任者が先輩に話をしたら、案外すんなり解決するかもしれません。すんなりとはいかずとも、引き継いでくれない理由や、先輩の攻略法が分かる可能性もあります。
理由その2。「あなたにはまだ早いと感じている」
。
他社から来た場合、その会社のやり方を覚え、さらに慣れる必要がありますよね。
先輩からすると、あなたは今まだその途中で、引き継ぎをしていいと思える段階ではないのかもしれません。
先日、中間管理職の友人がこんな話をしていました。
「4月に新卒として入ってきた社員が休職中で、そろそろ上限の3ヶ月になるんだよね。このまま行くと、たぶん退社」
4月に入社してもう休職って、メンタル病んだ? と聞くと、「そう」と友人。
「まだその子には無理だろって仕事を上の人間が任せちゃったんだよね。で、案の定、全然できなくて」。
結果、自信喪失し、出社しなくなってしまったそう。
それくらい、「誰に何を任せるか」は重要で、判断を誤ると社員を潰しかねないのです。
これは新入社員のケースなので、何もかもが初めてで経験不足だったのかもしれません。
一方、転職してきたあなたの場合、既にいろいろな業務を経験し、スキルもあるはず。だからこそ、引き継ぎをしてもらえないことが不服なのだと思います。
ただ、仕事を任せられるかどうかは単純にスキルの有無だけで決まるものではなかったりします。
前述の友人に今回のテーマについて話してみたところ、こう言っていました。
「転職してきたばかりでしょ? いきなり信頼できないよ!」
……なるほど、と思いました。
つまり、あなたはまだ先輩からの信頼を得ていない、という可能性もあるのです。
ではどうすれば?
まずは、先輩が振ってきた仕事を完璧にやり遂げましょう。たとえ面白くなくても。手間がかかるだけの仕事であっても。
「面白くはないけど、誰かがやらなければいけない仕事」を黙々と遂行して、初めて得られる信頼ってあるのです。
それすなわち、“職業に貴賎なし”、ならぬ、“業務に貴賎なし”、を行動で示すということ。それができる人は職場で信頼されます。ちなみに前述の友人も、まさにそれを実践して転職先での信頼を得た人です。
まずは焦らず、コツコツと。「私はここではまだ外様(とざま)」という達観と、「目の前の仕事をしっかりやっていけば信頼は得られる」という自信を持って。
そうすれば、「そろそろ譲るか……」と先輩に引き継ぎをしてもらえる日がきっと来ます。それが無理でも、仕事への意欲があるあなたなら、別の形で新たな仕事を任せてもらえる機会が来ると思いますよ!
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