10年以上前のこと、ある3連休の初日、私の兄嫁が突然、何の前触れもなく姪っ子を預けにきました。手には手紙を持っており、そこには「明後日までよろしくお願いします」とだけ書かれていました。
兄と兄嫁の連絡先は繋がらず、私の両親も遠くに住んでいるため、どうしていいか分からず、仕方なく姪っ子を家に招き入れることにしました。
当時私は独身で、子どもの扱いに慣れていなかったため、どう接していいのかも分からなかったのです。家には子供向けの遊び道具もなく、ひたすら困り果てていました。
それでも、とりあえず朝ご飯を食べに行こうと誘うと、姪っ子は「マックがいい」と言いました。私は「何でも頼んでいいよ」と言いましたが、姪っ子は驚いた表情を浮かべました。服が汚れていたことに気付き、美容院に行くことにしました。姪っ子が綺麗にして、少しは楽しそうな表情を見せてくれました。
その後、ショッピングセンターに行って、姪っ子の全身コーディネートをしてあげると、彼女は控えめながらも嬉しそうに笑ってくれました。
時間が余ったので、ショッピングセンター内の映画館で子ども向けの映画を観ることにし、その後はファミレスで食事をしました。姪っ子は「いつもお昼ご飯は食べさせてもらえない」と言い、その言葉に私は驚きました。普段の生活を尋ねると、彼女は「お母さんはいつもお出かけしていて、お父さんは家に帰ってこない。学校がある日は給食があるけど、晩ご飯はない」と話しました。
自宅に帰り、姪っ子をお風呂に入れると、彼女の体はガリガリで、全身には痣がだらけでした。言葉が出ませんでした。私は心の中で、これ以上彼女を放っておくことはできないと思い、すぐに両親に連絡をしました。
翌日、両親は飛行機で駆けつけ、姪っ子と一緒に遊園地に連れて行くと、彼女はすぐに笑顔を取り戻しました。キャラクターのついたチューシャを買ってあげると、姪っ子は汚すのを怖がって袋から出さずにいましたが、「汚れたらまた買ってあげるから」と言ったら、ようやくつけてくれました。
その日の夕方、両親は姪っ子を連れて帰っていきました。
その翌日、私は祝日でも仕事だったので不在でしたが、夜に兄嫁からの着信が何度もありました。
その後、色々と紆余曲折がありましたが、最終的に姪っ子の親権は私の両親に渡り、兄夫婦はどこにいるのかも分からなくなりました。
先週末、姪っ子の結婚式があり、私は両親と一緒に出席しました。両親は新婦の両親席に座り、私は姪っ子の姉夫婦の席に座りました。姪っ子がスライドショーであの時の遊園地での写真を見せてくれた時、私は思わず涙がこぼれました。「姉さんが手を差し伸べてくれたから、今の幸せがあります」と言ってくれた姪っ子の言葉が、私の心に深く響きました。
あの時、私がしたことが、姪っ子の人生にとって何かのきっかけになったのだと感じ、改めて家族の大切さを実感しました。
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