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「ただ座っただけです」ガラガラの電車で、なぜか私の隣に座ってきた男性。リュックを広げて肘まで当ててきたので、私は黙って席を立ち…
2026/07/11 告発

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電車に乗った瞬間、今日は静かに帰れそうだと思った。

昼過ぎの車内は驚くほど空いていて、向かいの座席も、少し離れた二人掛けも、ほとんど誰も座っていなかった。

私は二人掛けの窓側に座り、膝の上にバッグを置いて、ようやく一息ついた。

仕事で疲れていたし、誰にも邪魔されずに少しだけぼーっとしたかった。

ところが、次の駅で乗ってきた男の人が、なぜかまっすぐ私の方へ歩いてきた。

他にも席は山ほど空いている。

なのに、その人は当然みたいな顔で、私の隣に腰を下ろした。

その時点で、少し嫌な感じはした。

でも、ただ座っただけなら何も言えない。

私は少し体を窓側に寄せて、スマホを見るふりをした。

すると、その人は座った直後からリュックをガサガサ漁り始めた。

チャックを何度も開け閉めする音。

ビニール袋の音。

鍵なのか、小銭なのか、硬いものがぶつかる音。

それがずっと私の耳元で続いた。

しかも、リュックを探るたびに肘がこちらへ当たる。

一度目は我慢した。


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二度目も、たまたまだと思おうとした。

でも三度目に、はっきり私の腕に当たった。

それでも相手は、謝るどころかこちらを見もしなかった。

私は少しだけ体を引いた。

すると今度は、さらにリュックを大きく広げた。

まるで、私が避けるのを当然だと思っているみたいだった。

その瞬間、胸の中で何かが冷たくなった。

この人は席がないから隣に来たんじゃない。

空間の取り方を、最初から考えていない人なんだ。

いや、もしかしたら考えているのかもしれない。

「相手が避ければいい」と。

私は立ち上がった。

何も言わず、対面の一列まるごと空いている席へ移動した。

すると、その人が顔を上げて、少し不満そうにこちらを見た。

まるで私が失礼なことをしたみたいな顔だった。

私はその視線を無視して、座り直した。

そしてスマホを出し、車内の空席状況が分かるように写真を撮った。

もちろん、その人の顔は撮らない。

ただ、どれだけ席が空いていたか。

それなのに、わざわざ隣に座られたことが分かるように。


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そこから一駅分、私はずっと落ち着かなかった。

移動したのに、なぜか相手の視線が気になる。

「自分が気にしすぎなのかな」

そんな考えも一瞬よぎった。

でも、すぐに消した。

気にしすぎじゃない。

嫌だと感じたなら、それが答えだ。

次の駅に着いた時、私は立ち上がった。

すると、その人も同じタイミングで立った。

背中にぞわっとしたものが走った。

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