大学時代、私はサークルで先輩と一緒に活動していた。最初に会った時から、どこか懐かしい感じがした。よく考えてみると、その顔立ちが母に似ているような気がしていたのだ。特に目元や輪郭が、どこか母と重なる部分があった。
ある日、サークルの飲み会が開かれ、私はつい酔った勢いでそのことを先輩に伝えてみた。「なんか、先輩、うちの母に顔が似てるなーって思ってたんですよね」と軽い気持ちで言ってみた。その言葉に先輩も驚いた様子で、「実は、私も初めて会った時、〇〇ちゃん(私)の顔、うちの父親に似てるなって思ってたんですよ」と返してきた。
私も驚き、先輩も驚き、お互いに顔の系統が似ているという不思議な共通点を持っていたことに、二人とも興奮してしまった。
そして、「じゃあ、親の写真見せ合ってみましょうよ!」と冗談半分で提案し、写真を交換することになった。
私が母の写真を先輩に見せると、先輩もすぐに自分の父親の写真を見せてくれた。驚いたことに、本当に似ている!私の母と先輩の父、そして私の顔と先輩の顔も、まるで家族のように似ているのだ。冗談半分に、私たちはその写真をお互いの親に送ることにした。こうして、まさかの展開が待っているとも知らずに…。
その夜、私の母から電話がかかってきた。普段、こんなに早く電話がかかってくることはないので、驚きながら出てみると、母は何かに動揺している様子だった。「どうしたの?」と尋ねると、母は一瞬黙った後、信じられない言葉を口にした。「この人…昔の大人なのよ」と。私はその言葉が意味するところがすぐには理解できなかったが、母の言葉の中に深い意味があることを感じ取った。
その後、母は続けて言った。「実は、先輩のお父さん、あなたの実の父親なのよ」と。
衝撃の事実が明らかになったのだ。先輩の父親は、私の実の父だった。
複雑な気持ちを抱えながらも、冷静にその過去の事情を紐解いていった。母と父は、かつて結婚していたが、私がまだ兄を出産した後、夫婦の関係が次第に悪化していったという。私が生まれた後、母は里帰り出産のため、実家に戻ったが、その後、祖母の病気や家業の手伝いで一年間実家を離れられなかった。
その間、父と兄は二人で生活しており、再び家族に戻るにはお互いの距離が大きすぎたという。
結果的に、両親は離婚し、私は母に、兄は父に引き取られることとなった。その際、親権の取り決めの中で、「お互いの子供には会わない」という約束がされ、それ以来、一度も会うことはなかったのだ。まさか、こうして、何年も経った後に偶然、再会するとは思ってもいなかった。
そして、先日、兄が結婚することになり、私と母は結婚式に招待されることとなった。これにより、家族の形は変わってしまったものの、今まで会ったことのなかった父と先輩という新たな繋がりができ、私たちは不思議な感慨に包まれた。
さらに、私の名前をつけたのは父だったと聞いた時、言葉では言い表せないような複雑な気持ちが胸を打った。
今振り返ると、人生の不思議な繋がりを実感せずにはいられない。時を経て、どんなに離れていても、つながりはまたどこかで戻ってくるのだということを、改めて感じた出来事だった。
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