私は小さな雑貨屋をやっている。
昔ながらの店だ。
飲み物、駄菓子、日用品。
近所の子どもたちや常連さんがふらっと来るような、そんな店。
その日も、いつも通り店番をしていた。
昼過ぎだったと思う。
一人の男が入ってきた。
帽子を深くかぶっていて、
妙に周囲を気にしている感じだった。
でも口調はやたら低姿勢だった。
「すみません……」
男は手に持っていたコーラを見せながら言った。
「冷えてるコーラが飲みたくて……交換してもらえませんか?」
私は缶を見た。
普通のコーラ。
うちに置いてあるものと同じだった。
別に怪しいとも思わなかった。
「いいですよ」
私は冷蔵庫から冷えたコーラを取り出し、
男の缶と交換した。
男は何度も頭を下げながら店を出ていった。
本当に、
ただそれだけだった。
数分後。
学校帰りの孫娘が店に来た。
「おじいちゃん、喉かわいた〜」
私はさっき交換した常温のコーラを見て、
ちょうどいいと思った。
「これ飲むか?」
孫娘は缶を受け取る。
そして——
次の瞬間。
「あれ?」
小さく首をかしげた。
「おじいちゃん、これ賞味期限切れてるよ?」
私は一瞬、意味が分からなかった。
「え?」
缶を見直す。
本当だった。
期限がかなり前で切れている。
その瞬間、
背筋がゾッとした。
嫌な予感がした。
私は急いで店の外へ飛び出した。
すると、
少し先の食品店の前で怒鳴り声が聞こえた。
「どういうことだよこれ!!」
「期限切れ商品売ってんじゃねぇぞ!!」
見ると、
別の男が店主に詰め寄っていた。
そしてその手には——
コーラ。
私は一瞬で理解した。
やられた。
最初の男が、
期限切れコーラをわざと店に残す。
そのあと仲間が別の店へ行き、
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