愛知県に住む22歳の横さんとその6歳の息子、君(こき)くん。先月、二人は写真スタジオを訪れました。外見は兄弟のように見えますが、実は年の近い親子です。この日は、君くんの小学校入学を記念した撮影の日。まだわくわくとした表情が見られる君くんは、カメラやマイクに興味津々で、未来に向けた期待が感じられました。
横さんが14歳、中学3年生のとき、妊娠の知らせを受けたのは夏の終わり頃のことでした。当時、同じ年の男の子と交際していた横さんは、彼の強引な要求に応じて関係を持ちました。
しかし、妊娠が発覚したとき、彼は「大丈夫だろう、二人で育てればいいじゃん」と軽い言葉で済ませ、最終的にはLINEで「逃げます」との一言で音信不通に。横さんは急遽、シングルマザーとして息子を育てる決断をしました。
シングルマザーとしての生活は、思い描いたものとは異なり、苦難の連続でした。最も大変だったのは、金銭面の問題です。横さんの月々の収入は、パートで得られる8万円と、子ども手当ての4万円、育児手当ての1万円の合計で13万円。これでは生活が困難で、貯金もほとんどありませんでした。息子にはしっかりと食事をさせ、自分は我慢する生活が続きました。ゲーム機や高価な品物は手が出せず、常に経済的な制約に悩まされていました。
横さんの苦難は、経済的な問題だけではありませんでした。若いシングルマザーとしての偏見に直面しました。中学校を卒業した後、出産の報告をした際には、学校からの冷たい対応を受け、同級生からも視線を避けられるような経験がありました。また、卒業後の仕事探しでも、差別やいじめに遭い、シフトの削減などの辛い状況に直面しました。
それでも、横さんはその壁を乗り越え、シングルマザーとして息子を育て続けました。
先月から、横さんは兄の経営するヘッドスパ店で働き始めました。兄の支援を受けられることで、少しずつ生活が安定し始めました。職場の社長からも「非常に優秀だ」との評価を受け、励みとなっています。撮影中、君くんはお姉さんに向かって手を振り、笑顔を見せました。横さんは、息子に対して「自分のやりたいことを見つけてほしい」と願いながら、母としての役割を果たしています。
記念写真の撮影にはかなりの費用がかかりますが、横さんは君くんに関わることにはお金を惜しまないと決めています。
「君くんは私の宝物であり、どんな困難も乗り越えて育てていきたい」と話す横さん。その目には未来への希望が輝いています。息子への深い愛情と共に、これからも困難を乗り越えながら、前向きな日々を築いていくことでしょう。
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