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夜中に目を覚ますと息子が遺影の前で“誰か”と話していた→供えた料理を勧める理由を聞いた瞬間、怖さが全部涙に変わった
2026/05/02 告発

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夜中にふと目が覚めた。

理由は分からない。
ただ、なんとなく胸騒ぎがした。

静まり返った家の中で、
かすかに物音がした気がした。

「……カチャ」

台所の方から。

一瞬で眠気が消えた。

誰かいる。

でも、そんなはずはない。

家には私と息子しかいない。

心臓の音がやけに大きく響く中、
ゆっくりと布団から出た。

足音を立てないように、
廊下に出る。

暗い中で、台所の方を覗いた。

そして、そのまま固まった。

――息子がいた。

仏壇の前に、きちんと正座して。

遺影の方をじっと見ている。

そして、小さく何か話していた。

誰かと会話しているみたいに。

「……なにしてるの?」

思わず声をかけた。

息子はびくっとして振り返った。


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でもすぐに、少し困ったような顔をして言った。

「だって……」

言葉を探すみたいに少し黙ってから、
ぽつりと続けた。

「おじいちゃんが、お腹すいたって言うから」

――え?

一瞬、理解できなかった。

息子はそのまま続けた。

「ほら、いっぱいあるから一緒に食べようって」

そう言って、
供えてあった料理の方を見た。

そして、箸を持って、
少しずつ料理を動かしている。

まるで、誰かに取り分けるみたいに。

背筋が、ぞくっとした。

怖い。

そう思ったはずなのに、
次の瞬間、違う感情が込み上げてきた。

祖父は、生前よく言っていた。

「遠慮するな」


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「いっぱい食べろ」

孫が来ると、
自分の分まで分けてくれる人だった。

「じいちゃんのも食べなさい」

それが口癖だった。

息子は、それを覚えていたんだ。

怖い話なんかじゃなかった。

ただ、あの人らしいだけだった。

私はゆっくり息子の隣に座った。

「おいしい?」

そう聞くと、

息子は嬉しそうにうなずいた。

「うん、おじいちゃんのごはん」

その言葉で、
胸の奥がぎゅっと締め付けられた。

仏壇の前で、
二人で並んで座る。

遺影の中の祖父は、
いつも通り優しく笑っていた。

まるで、本当にそこにいるみたいに。

「ほら、もっと食べなさい」

そう言ってるような気がした。

私はそっと手を合わせた。

怖さは、もうどこにもなかった。

ただ少しだけ、寂しくて、
そして少しだけ、あたたかかった。

あの日から、供えた料理が減っていても、
不思議と怖いとは思わなくなった。

むしろ、少し嬉しかった。

これって、

ただの気のせいなのか、

それとも本当に——

あの人も一緒に、食べていたのか。

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