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「この朝食、全部気に入らない」毎朝続く夫のクレームに限界を感じた私は、エプロンを投げて言った。「そんなに不満なら自分で作れば?」→強気だった夫がキッチンに立った結果、フライパンは焦げ、卵は黒くなり、台所は崩壊状態に…。その夜、静かに外食を食べる私に向かって、夫の態度が一変する——
2026/06/21 告発

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朝、まだ頭がぼんやりしている時間に、またその声が飛んできた。

「この唐揚げ、大きすぎる」
「サラダが草みたいで食べづらい」
「玄米は硬いから白米にして」

私は一瞬、箸を止めた。

……また始まった。

健康のことを考えて、栄養バランスも調べて、できるだけ手間をかけて作っている朝食。夜遅くまでレシピを見て、少しでも体にいいものを、と工夫してきた。

それなのに、返ってくるのはいつも“文句”だった。

「これじゃない」
「こうじゃない」
「普通でいいのに」

普通って何?
私がやっていることは、全部“無駄”なのか?

その日、私の中で何かがプツンと切れた。


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私はゆっくりと立ち上がり、静かにエプロンを外した。

そして、彼の前にそっと差し出した。

「じゃあ、今日から自分で作って」

彼は一瞬きょとんとした顔をした。

「は?なんで俺が?」

私は淡々と答えた。

「あなたの“理想の朝食”、私はもう分からないから」

そのままエプロンをテーブルに置き、私はキッチンから離れた。

最初は余裕そうだった。

「別に簡単だろ、料理くらい」

そう言いながら冷蔵庫を開ける音がした。

しかし、数分後。

ガタッ。

「え、これどうやって切るの?」
「火、これでいいの?」

キッチンから焦りの声が聞こえ始めた。

私はリビングで何も言わずにテレビを見ていた。

そして、しばらくして——焦げた匂いがした。

キッチンに行くと、そこには見るも無残な朝食があった。

真っ黒な卵焼き。
べちゃべちゃのサラダ。


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中途半端に生のままの鶏肉。

彼は無言でそれを見ていた。

「……なんか違う」

その一言に、私は初めて笑いそうになった。

違うのは当たり前だろう。

あなたが毎日私に言っていた“違う”の意味が、ようやくそこにあった。

その夜。

私は何も作らなかった。

代わりに、コンビニで買ったお弁当をテーブルに並べた。

唐揚げも、サラダも、白米も全部“普通のやつ”。

彼は黙ってそれを見ていた。

「……今日の飯、それだけ?」

私は箸を置いて、ゆっくり言った。

「あなたの理想は、あなたにしか作れないよ」

そして一口食べながら、続けた。

「私は“文句を言われるために”料理してるわけじゃない」

部屋が静かになった。

テレビの音だけがやけに大きく感じる。

彼はしばらく何も言わなかった。

そして小さく、

「……俺、ちょっと言いすぎてたかもな」

そう呟いた。

私はそれに対して、何も返さなかった。

ただ静かに、お弁当を食べ続けた。

その日以来、朝食に文句は出なくなった。

むしろ時々、

「これ、どうやって作ったの?」

そんな言葉が出るようになった。

私は思った。

“完璧な朝食”なんてものは存在しない。

あるのは、作る人の時間と気持ちだけだ。

それを当然のように受け取る人には、一度「失う経験」が必要なのかもしれない。

そして私は今日も普通の朝食を作る。

ただしもう、“評価されるため”ではない。

自分と、食べる人のためにだけ。

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