冬休み、
一時帰国していた私は、
5歳と9歳の子どもを連れて京都へ向かっていた。
週末の新幹線。
混むのは分かっていた。
だから私は、
迷わず指定席を3席きっちり確保した。
「これで安心だね」
子どもたちも、
それぞれ自分の席に座って嬉しそうだった。
でも——
現実は想像以上だった。
自由席は完全満席。
座れなかった人たちが、
指定席車両にまで流れ込んできている。
デッキは人だらけ。
通路にも立っている人がいる。
そんな中でも、
私は思っていた。
ちゃんと予約しておいてよかったって。
その時だった。
一組の家族が、
私たちの席の前で止まった。
母親、
父親、
そして小さな子ども。
すると突然、
母親がわざとらしい声で言い始めた。
「はぁ〜足痛いねぇ〜」
「座れたらよかったのにねぇ〜」
さらに。
「子ども二人で座ってるの、
ちょっとウケるよね」
……え?
空気が一瞬止まった。
今の、
完全にこっち向けて言ってるよね?
つまり、
“席詰めろ”
ってこと?
でも、
直接は言わない。
あくまで、
“聞こえる独り言”。
日本特有の、
あの嫌な圧。
周囲の乗客も、
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