夫婦は人生のさまざまな出来事を共有し、一緒に乗り越えていく存在です。共に生活するからこそ、感謝の気持ちや意見を伝え合うことが重要です。ある夫婦のエピソードがネット上で絶賛されています。
夫のひろとさん(@chanhanaaaaaa)は、妻から受けたある行動をTwitterに投稿しました。ある日、妻から「感謝」と書かれた封筒を手渡されます。封筒の中には、2万円と「1日休暇プレゼント」という手紙が入っていました。
手紙には以下のような内容が書かれていました。
いつでも休暇を取る日を決めて教えてね。
お金の使い方は自由。(パチンコ、温泉、食事、飲み物など何でも可)
帰宅時間も自由。(ただし節度を持って)
家にいる間は何もしなくてもOK。
このプレゼントは、いつも頑張っている夫に感謝の気持ちを伝えるために妻が用意したものでした。投稿者さんが気兼ねなく自由に使えるようにお金と時間をプレゼントしたのです。
ネット上では、夫婦のやり取りに対して「素敵な妻だね!」や「羨ましい」といった声が上がっています。また、コメントの中には「夫が妻を大切にしているからこそ、こんな風にしてもらえるんだろうな」といった意見もあります。
このエピソードから、思いやりを持って接することの大切さを感じます。愛情に満ちたエピソードに、心が温かくなります。
上記の内容への声
一見美しい夫婦愛のエピソードに見えますが、私にはこの「美談」に潜む歪んだ夫婦関係と社会構造が見えてきます。
まず、妻が夫に「休暇」と「お金」を「プレゼント」するという構図自体が異常です。夫は毎日、家の外で働き、疲弊しきっている。
一方、妻は家庭を守るという名目で、夫の稼ぎを自由にできる立場にいる。このような経済的・社会的不均衡の上に成り立つ「プレゼント」に、対等な関係性は存在しません。夫はまるで、飼い主に褒美を与えられ、ご機嫌を取るペットのようです。
さらに恐ろしいのは、「パチンコ」「飲み物」「帰宅時間自由」といった言葉の選択です。妻は夫をまるで子供扱いし、欲望のままに振る舞うことを暗に許容しています。これは、夫を対等な人間として尊重しているのではなく、「あなたは何をしても許される子供なのよ」と精神的に支配しているようにも見えます。
そして、この歪んだ夫婦関係を「素敵な妻」「羨ましい」と賞賛するネット上の声。私たちは、知らず知らずのうちに、男性を経済的支柱として、女性を家庭を守る存在として規定する、古い価値観に囚われているのではないでしょうか?
真に対等で愛情のある関係とは、一方的な「プレゼント」ではなく、互いの努力を認め合い、対等な立場でコミュニケーションを取り続けることによって築かれるのではないでしょうか。
表面的な美談に惑わされることなく、私たち自身の夫婦観、そして社会全体の意識改革が必要なのではないでしょうか。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください
次のページ