フワちゃんを裏で操っていた女芸人の本性がエグい——そう感じさせる一連の騒動は、たった一つのポストから始まった。深夜のXに投げ込まれた辛辣な一文が瞬く間に拡散し、翌朝にはワイドショーのトップを飾る。渦中の人物はフワちゃん。芸能活動の休止を余儀なくされた彼女は、のちに「大喜利の延長で、アンチが付くなら……というノリで文章を作った」と説明したが、炎は容易に消えなかった。なぜなら、舞台裏にもう一人の女芸人の影がある——そう囁かれたからだ。
その名は、Aマッソの加納。関係者の説明や報道で語られたところによれば、事の発端となるポストは、やす子のタイムライン上の投稿をきっかけに生まれたという。
旅行先の宿で、夜更けまでアイデアを転がし合う二人。加納が「これ、どう返す?」と軽く振ったのか、あるいは“芸人の遊び”としてハードな文言を提案したのか——細部は不明だ。ただ、フワちゃんは先輩の球を受けた後輩として、応える形で文章を練り、勢いのまま公開してしまった。本人は「誤って投稿した」と釈明し、所属事務所も「やす子の投稿を話題にしたことは事実だが、煽った事実はない」とコメント。対して加納本人は沈黙を貫いたままだ。
沈黙は時に雄弁である。ネットのタイムラインには、「後輩に全部かぶせているのでは」「本当に煽っていないのか」といった疑念が重なり、嵐のような非難が吹き荒れた。もちろん、断定できる証拠が示されたわけではない。だが、視聴者が“本性”という言葉を口にしたのは、出来事の連鎖が、芸人という職業の光と影をあまりに生々しく映し出したからだ。舞台裏の軽口、互いを鍛えるための毒舌、SNSでの瞬発力——芸の血肉となるそれらが、ひとたび線を越えれば、炎上の燃料へと形を変える。
現場の空気は、きっともっと曖昧で、もっと人間的だったはずだ。深夜のテンション、旅の高揚、先輩・後輩の呼吸。加納の「振り」は悪意のないお題振りだったのかもしれないし、フワちゃんの「返し」も、放送作家の部屋で没になるはずの荒削りな案のひとつに過ぎなかったのかもしれない。しかしSNSは楽屋ではない。ツッコミも編集もない広場に、未完成の言葉が一人歩きするとき、そこには芸の安全網は存在しない。
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