夫から「仕事を辞めてくれ」とお願いされたものの、理由は一切教えてもらえなかったのだ。話を切り出された時、私は仕事が大好きだったし、突然辞めるという決断ができるわけがなかった。何度も理由を聞いたが、「ただ辞めてくれ」と繰り返すばかり。それでは私も簡単に納得できるわけがない。
数回にわたる話し合いの結果、ようやく夫が重い口を開いた。彼が言ったのは「義母の介護が必要だから」とのことだった。正直、私は驚いた。義母は良いトメであり、介護に関しても全く問題はなかったからだ。むしろ義母が施設に行くことを希望しているとばかり思っていたから、なぜわざわざ私が辞めなければならないのかが理解できなかった。
義母は以前、施設に入ることを望んでいた。
しかし、施設での生活に対する不安や怖さを感じていたのだろうか、義兄夫婦と一緒に暮らしていたが、義兄が海外に転勤になることが決まり、義兄嫁も一緒に転居することが濃厚になった。そのため、義母を引き取る形で私たちの家に来ることになるという話だった。
しかし、真実が明らかになるまで、私はこの話がすべて嘘であることに気づかなかった。確かに義母は介護が必要で、施設に行きたいという気持ちは変わっていなかったのだが、実際には義母の介護が理由ではなかったのだ。真相は夫の浮気であり、私はそのことに気づかされることとなった。
驚くべきことに、相手は既婚者だったのだが、夫はそのことを知らなかったようだ。夫の本当の狙いは、私を「専業主婦のくせに家事を手抜きする寄生虫」として追い出し、私との離婚を画策していたことがわかった。
義母もそのことに涙を流し、夫の愚かさに呆れていた。義兄はしっかりと育ち、家庭を大切にしている一方で、夫はなぜこうも愚かだったのかと義母も深く落ち込んでいた。夫の行動を見ていると、義母は心から悲しんでいた。私も当然、裏切られた気持ちでいっぱいだった。
結果として、私は仕事を辞めることなく、夫が望む通りに離婚した。夫の浮気相手は結局、夫に対して愛想を尽かし、最終的には彼が一人ぼっちになった。
夫が「浮気相手と結婚できる確証がなければ離婚という選択肢はないから」と笑って離婚拒否してきた時、私はサツ意湧いた。
私がこの一連の出来事を通して学んだことは、頼まれて仕事を辞めることには裏があるかもしれないということだ。私と同じような状況にいる奥様方に伝えたい。もしも夫が急に仕事を辞めてほしいと頼んできた時、もしかしたらそこに隠された真実があるかもしれません。
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