初めて、営業成績でトップの座に立つことができた。努力が報われた瞬間に、思わぬ一言が空気を濁した。「女は身体で仕事が取れるからいいよな。男の俺なんか、真面目に頑張ってるってのに…本当に羨ましいよ」
その言葉を口にしたのは、これまで営業成績1位を守り続けていた同僚Aだった。私の快挙を称えるどころか、まるで私の努力を全否定するようなその言葉に、怒りというよりも呆れが勝った。「何を言ってるんだ、この人は…」と内心でため息をついたそのとき、上司が偶然その場にやってきた。「何を話してるんだ?」
私はためらうことなく、事実を伝えた。「Aさんから、“女は身体で仕事が取れるから羨ましい”って言われました」
すると上司は少し笑みを浮かべながら、「そうか」と頷き、続けた。
「じゃあA、お前明日からT社のDさんを担当してくれ。今は彼女(私)の担当だけど、お前に変わっても問題ないよな?」
「はい、大丈夫です」と私が即答する間、Aの顔色はみるみる青ざめていった。
T社のD氏は業界内でも少し知られた存在で、「同性にしか興味がない」「酔いつぶれた男を触る」という真偽不明な噂が絶えない人物だった。もちろん、本人のプライバシーについて他人が詮索するべきではないが、その噂の数々がAの脳裏に浮かんだのだろう。先ほどまでニヤついていた彼の表情は一変、口を開けて呆然と立ち尽くしていた。「う、嘘ですよね……」
半泣きで訴えるAに対し、上司は笑いながらこう言い放った。「お前の望み通り、男でも身体で仕事が取れる相手だ。
期待しているぞ」
「いいなあ、“おしり”で営業できるって。羨ましいって言ってたもんね」皮肉を込めて言い放つと、Aは涙目で「Dさんだけは無理だ…頼む、担当を変えてくれ」と懇願してきたが、私は無視した。
私に営業成績で勝てないからといって、下品な言葉で貶めようとする。そんな行動に正当な報いが下っただけの話だ。努力も誠意もない者が、人を侮辱してのし上がれるほど、この世界は甘くない。
これが現実だ。私の仕事も、評価も、身体ではなく真っ直ぐな努力の結果だということを、彼も思い知ったことだろう。
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