23歳の頃、社会人2年目だった私は、親戚の紹介で31歳の男性Aとお見合いのような形で3ヶ月ほど付き合っていた。
Aは東京在住、年収500万円の自称大卒。借金があるらしく、一人暮らし中。対して私は借金もなく、大卒で実家暮らし。当時は社員寮に住んでいた。東京本社への転勤をきっかけに紹介された相手で、年齢差に最初は迷ったが「誠実な人だから」と説得され、交際に至った。
しかし、私は奈良の田舎育ち。東京の人混みや洒落たレストランには全く馴染めず、Aとのデートもどこか落ち着かず、価値観の違いを痛感する日々だった。結局、Aの方から別れを告げられた。
驚いたのはその理由だった。「理想の女性は戸田恵梨香。でも君は美人じゃない」「その割に化粧品代が高い(私が使っていたのは資生堂の敏感肌用シリーズ)」「働きたいって言う割には稼ぎが少ないし、家事ができるか不安」
さすがに腹が立った。しかも、当時の私の年収は昇進と手当込みで450万円を超えており、Aと大差なかった。
その後、私は奈良に戻り、地元で出会った男性と25歳で結婚。現在33歳。年収はコロナ禍で少し減ったものの、500万円を超え、駅徒歩3分の好立地に一軒家も購入。家事動線を考えて設計したため暮らしやすく、何より夫が家事に積極的なのがありがたい。
かつての思い出も、すでに記憶の片隅に追いやられていた──あの日、突然の着信があるまでは。
見知らぬ番号。宅配かと思い電話を取ると、相手はなんとAだった。「伝えておきたいことがありまして」
仕事中だったため、退勤後に改めて話すことにした。
そして17時5分、再びの着信。彼の伝えたかったことは「自分、まだ独身なんです」「30を過ぎると、優良な相手を探すのが難しくなって…」
呆れてしまった。「40を超えて優良な相手を見つけるのは、もっと大変でしょうね。
ご苦労様です」そう言って電話を切り、着信拒否を設定した。
10年も前の連絡先を保存していたこと自体、気味が悪い。それに、10年前に一方的に私を評価し、見下し、切り捨てた男が、今さら何を期待していたのだろうか。今の私は、支えてくれる家族と穏やかな生活に満足している。
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