正直、
あの時点で普通に終わると思ってた。
満員電車で、
ヨーグルト飲んで。
次におにぎり食べて。
最後にコーヒー。
その時点で
「いや電車で食うなよ」
とは思ってた。
でも、
まあ変な人いるしな、
くらいだった。
問題は次。
電車が揺れた瞬間、
そのコーヒーが全部こっちに飛んできた。
コート、
シャツ、
バッグ。
全部にかかった。
しかも相手。
「あっ。」
それだけ。
謝罪なし。
そのまま降りようとした。
その瞬間、
頭の中で何か切れた。
「あ、これ無理だわ」
って。
気づいたら、
ホームで腕掴んでた。
「ちょっと待ってください。」
相手、
一瞬だけ振り返る。
でもすぐ、
腕を振り払おうとした。
「急いでるんで。」
……は?
いやいや。
今コーヒー全部かけたよね?
私はできるだけ冷静に言った。
「今、
かかりましたよね?」
すると相手、
顔をしかめながら言った。
「いや、
当たってないと思いますけど。」
その瞬間、
逆に笑いそうになった。
いや、
服見ろよ。
私はコートを指差した。
しっかりシミになってる。
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