半年付き合った彼女がいる。
彼女は29歳、俺は24。
年齢差なんて気にしてなかった。
最初は、ただ一緒にいると落ち着く人だと思ってた。
でも、最近の彼女は、どこか「急いでる」感じがした。
将来の話。
結婚の話。
子どもの話。
ひとつひとつは普通の会話のはずなのに、
それが毎日のように繰り返されると、
胸の奥がぎゅっと固まるみたいに重たくなった。
昨日、沈黙した俺を見て
彼女がぽつりとつぶやいた。
「やっぱり、そうなんだね」
その声が、妙に落ち着いていて。
泣いてるわけでも、怒ってるわけでもない。
ただ、もう答えを知ってた人の声。
俺たちは、実は出会ったとき、
彼女にはまだ彼氏がいた。
でも俺は、彼女を好きになってしまった。
気持ちをぶつけて、ぶつけて、
その結果、彼女は俺を選んだ。
あの時は、
「この人を一生大事にしたい」
そう思ってた。
だけど、付き合ってからわかった。
俺は“彼女を奪い取った瞬間”に満足してしまってたんだと。
一緒に暮らしたら、
結婚したら、
責任を持つって、
そう思ってたはずなのに。
「付き合ってから、なんか違う気がした」
自分で言ってて、最低だと思った。
でも、嘘じゃなかった。
彼女は俺と未来を作ろうとしてくれてるのに、
俺は、まだ“今”すらちゃんと掴めてない。
今日の夜、彼女の家に行く。
そのとき、ちゃんと話すつもりだ。
彼女はきっと分かってる。
だからこそ、俺も逃げずに向き合う。
好きだった。
でも、「好きだから一緒にいる」だけじゃ
続かない時が来るんだな。
——なあ、
恋愛から“結婚”に変わる瞬間って、
どこで覚悟を決めればよかったんだろうな。
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