朝の通勤ラッシュ。電車はいつものようにぎゅうぎゅうで、私は立っているだけで息苦しくなる。そんな中、駅に近づくにつれて、突然、声が響いた。「この人痴漢!痴漢です!!」
声の主は、制服姿の女子高生。目の前に立つスーツを着た男性を指差して叫んでいた。周囲の乗客が驚き、反応したその瞬間、男性は目を見開きながら声をあげた。「え⁉俺⁉」
周りの人々も何が起きたのか理解できずに、少し戸惑っているようだった。その女子高生は顔を泣きそうに歪ませながら、男性を鋭く睨みつけ、こう言い放った。「最低!胸を何度も触ってきた!」
その言葉に、男性は瞬時に周囲を見回しながら必死に弁解し始めた。「俺はやってない!絶対にやってない!」
だが、この手の事件では、周囲の人々の反応はほとんどが決まっている。どんな説明をしても、無実を証明することは非常に難しい。特に女子が声を上げれば、その瞬間から周りは彼女の味方になりがちだ。男性が叫んでいる間にも、周りの人々が次々と男性を取り押さえようとした。
その時、突然、冷静な声が響いた。「その人に触らないで!」
声を上げたのは、男性の隣に立っていた二十代のOL風の女性だ。彼女は男性に向かって続けた。「両手を頭の上に上げて!」
男性は驚きながらも、その指示に従って手を上げる。女性はさらに声を大にして叫んだ。「今からこの人には一切何も触らせません!皆さん、証人になってください!誰か駅員さんを呼んでください!もし本当に彼女の胸を触ったなら、彼女の服にその証拠となる繊維が残っているはずです。
それがなければ、この人は無罪です!」
その言葉に、女子高生は一瞬、顔色を変えて逃げようとした。しかし、OL風の女性はすぐにその動きに反応して叫んだ。「逃げるな!誰かその子を捕まえて!」
私もその瞬間、何かが頭の中でスイッチが入ったように感じ、近くにいた女子高生を追いかけ、彼女の服を掴んだ。「待ちなさい。」
女子高生は必死に振りほどこうとしたが、近くの乗客も協力してくれ、彼女を取り押さえた。
周囲は男性を取り囲み、彼が逃げられないようにした。
駅に到着し、駅員が駆けつけた。男性とOL風の女性は状況を説明し、私たちも証言者として駅員に話した。駅員が女子高生に尋ねると、女子高生は冷ややかに言った。「ああ、はいはい、ごめんなさい。お金が欲しくてやりました。謝ったからいいでしょう?ぶっちゃけ、冤罪バイトとか、友達みんなやってるし。てか、学校遅刻するんだけど、早く解放してくれない?」
その言葉に、OL風の女性は激怒して言い放った。「ふざけるな!他人の人生を潰すところだったんだぞ!」
女子高生は結局、警察に引き渡されることになった。男性はその後、何度もOL風の女性に感謝の言葉を繰り返していた。
この事件を通じて感じたのは、冤罪の恐ろしさだ。
無実を証明するのは、時に途方もないほど難しい。もし周囲に助けがなければ、無実でもその人の人生が大きく揺らぐことになるだろう。冤罪を利用してお金を得ようとする人々の存在は、決して許されるべきではない。こういった事態が少しでも減少することを心から願っている。
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