中島みゆきさんの「糸」の歌詞には、出会いや縁が見えない糸で結ばれたものであり、運命とも言える存在であることが描かれています。特に注目すべきは、「縦の糸はあなた...呼びます」という部分です。ここで「しあわせ」という言葉ではなく、「仕合わせ」と表現されているのはなぜでしょうか。
「しあわせ」とは、幸せや運命といった意味を持つ言葉です。その語源は「し合わす」とされており、何かの動作が「合う」ことを意味します。つまり、「しあわせ」とは、自分が置かれている状況に別の状況が重なって生まれる状態を指します。
この曲の中での「仕合わせ」とは、良い意味だけでなく、悪いことやつらいことにも使われる言葉です。人生には辛い出来事や悲しい瞬間もありますが、それらと共に出会った相手と一緒に「仕合わせ」を感じていこうというメッセージが込められています。
この歌詞からは、私たちは出会いや縁については常に未知の状態であり、なぜ出会うのかやいつ出会うのかを知ることはできないということが伝わってきます。しかし、それでも私たちは「知らない」ということを知っているので、出会いや縁についての疑問や探求心を持ち続けるのです。
この曲は、これから出会うたくさんの糸との「仕合わせ」を楽しみたいという願いを込めています。人生にはさまざまな出会いが待ち受けており、それぞれの糸との縁を大切にしていきたいという思いが込められています。
私たちは未来の出会いや縁を知ることはできませんが、それでも心を開き、新たな糸との「仕合わせ」を楽しみながら、人生を歩んでいきましょう。
ネットから上記の内容への見解:
「糸」の歌詞における「仕合わせ」という言葉の選択は、単なる言葉遊びを超えて、深い人間観を反映していると言えるだろう。
「しあわせ」が「合う」という語源を持つように、それは個人の努力や選択によって到達できる、ある種の「完成」を意味する。
しかし「仕合わせ」は、運命的な出会い、あるいは受け入れざるを得ない現実を示唆する。これは、中島みゆきの歌詞全体に流れる、運命への諦観と受け入れを象徴しているのではないだろうか。
「縦の糸はあなた...呼びます」というフレーズは、まさにその運命的な出会いを表す。相手は、自分自身の意思とは関係なく、運命によって呼び寄せられる存在なのだ。これは、出会いを「偶然」や「選択」ではなく、「必然」として捉え、運命を受け入れることを促すメッセージと言える。
しかし、ここで重要なのは、「仕合わせ」という言葉に、喜びだけでなく苦しみも含まれている点だ。人生におけるすべての出会いは、必ずしも幸福をもたらすとは限らない。辛い別れや苦しい状況も、運命の糸で繋がれた「仕合わせ」として受け入れるべきだと、この歌詞は訴えている。
「糸」は、人生における出会いの儚さと、それでも受け入れざるを得ない運命の重さを、繊細かつ力強く表現している。
私たちは、この歌詞を通して、運命を受け入れながらも、その中で新しい「仕合わせ」を見つけ出す喜びと強さを学ぶことができるのだ。
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