8月15日、スコットランドのダンドナルドリンクスで開幕したスコティッシュ女子オープンの初日、日本を代表するゴルファー渋野日向子選手がプレーを途中で棄権するという驚きの出来事が起こりました。彼女は10番ホールからスタートし、順調にバーディを奪うなど好調な滑り出しを見せていましたが、突然の異変が彼女を襲いました。ボギーやダブルボギーを重ねた後、14番ホールで打ったショットが彼女のプレーを決定的に止めることになります。.
ショットを打った直後、渋野選手は涙を流しながら同伴競技者に棄権を告げ、その姿がカメラに捉えられました。
トレーナーが彼女の腰から左足にかけてチェックする様子も映し出され、ファンや関係者に衝撃が走りました。その後、渋野選手は取材に応じ、左股関節の痛みが原因であり、朝の練習で負傷していたことを明かしました。「痛みが急にきて、怖くなった。このまま続けるのは無理だった」と語った彼女の言葉には、悔しさと不安が滲んでいました。
渋野選手が大会を途中棄権するのは、2022年の全米女子プロ選手権以来二度目のことです。前回は体調不良が原因であり、今回も同様に体調管理の重要性が浮き彫りになりました。彼女は「痛みを長引かせるわけにはいかなかった。治療して、次週のメジャー大会である全英女子オープンに備えたい」と前向きな姿勢を見せました。
渋野選手の突然の棄権に対し、ファンやゴルフ関係者からは様々な反応が寄せられました。SNSやニュースのコメント欄には「無理せず治療に専念してほしい」という心配の声が多く見られましたが、一方で「前英に向けて懸命な判断だった」と彼女の決断を支持する声も少なくありませんでした。
彼女の公式インスタグラムには、早期回復を願う励ましのコメントが殺到し、多くのファンが彼女の復帰を待ち望んでいる様子が伺えます。
渋野日向子選手といえば、2019年の全英女子オープンで優勝し、「スマイルシンデレラ」の愛称で一躍スターダムに躍り出ました。彼女の明るい笑顔と大胆なプレースタイルは、日本中に渋野フィーバーを巻き起こしました。しかし、その後は成績が低迷し、スランプに陥る時期もありました。とはいえ、今季に入り調子を取り戻し、6月の全米女子オープンでは見事に2位という好成績を収めています。
渋野選手の棄権に対して、一部では「プロなら最後まで戦うべきだ」「メンタルが弱い」という批判的な声も上がっています。しかし、スポーツ医学の専門家である田中義博医師は「アスリートにとって、自分の体調を正確に把握し、適切な判断を下すことが非常に重要です。無理をして大きな怪我につながるリスクを避けたという点で、渋野選手の判断は正しかった」と彼女の決断を擁護しています。また、メンタルトレーナーの佐藤真弓美氏は「棄権という決断を下すことも選手にとっては大きな勇気が必要です。自分の体と向き合い、長期的な視点で判断できる選手はむしろメンタルが強いと言えるでしょう」と指摘し、渋野選手のメンタルの強さを評価しています。
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